岡村 愛奈(仮名)

学生・22歳

記憶の中の不安と記憶の外のテリー

今日は祖父母・両親に連れられてちょっといいお店で夕食をした。

私の実家から、ちょっといいお店がたくさんあるような隣町へ車で行くまでには、田んぼに囲まれた、人けのなく灯りも少ない道を通る。

幼少期は、隣町でおいしいものを食べたり遊びに行ったりした帰り道、広がる真っ暗な田んぼを車窓から眺めながら、「実は自分はこれから何か事情があって山に捨てられに行くところで、今日は最後に楽しい思いをさせてやろうということだったのではないか」「両親は何気ない顔をしているが、実は地球は今日で滅びることになっていて、私だけがそれを知らされていないのではないか」などと不安な妄想を膨らませては悲しい気持ちになっていたな、というのを今日の帰りに思い出した。

幼少期はこんな感じで何か贅沢というもの全般に漠然とした不安が付きまとっていたが、大きくなって、そういう楽しみを得るために大人たちが具体的にどれくらいの対価を支払っているのかがある程度ちゃんとイメージできるようになってから、そういう不安は次第に感じなくなっていった。

 

実家で、いつだったか年賀状を書くときに、筆ペンを試し書きしたと思われるメモ用紙が発掘された。私への罵詈雑言パートは兄が書いたので間違いないと思うんだけど、その他の記憶が一切ない。テリー伊藤の唾……?

 

2ページ目。まさかテリー伊藤のこと??