岡村 愛奈(仮名)

学生・22歳

大遅刻日記

日記面倒くさくなってきた!どうしよう!!思ったことを言葉にするの面倒くさすぎる!!

もう毎日じゃなくてもいいってことにしようかな、すでに毎日じゃなくなってるし……でもそうしたらいよいよ何も書かなくなる気がする。

 

ついに解放されて、いろいろした。

まず「国際芸術祭 あいち2022」(ありていに言ってしまえば「あいちトリエンナーレ」が名前を変えて再始動したやつ)の愛知県美術館会場を、中学校ぶりに会う友人たちと一緒に観に行った。彼らとは、皆苗字があ行始まりで中学入学当初の席が近く、よく話していた。いま偽名として岡村愛奈という名前を気に入って使っているのは、あ行始まりの苗字に愛着があるのかもしれない。

展覧会について、全体を通した感想みたいなのはちょっと思いつかないんだけど、個別にはジミー・ロベールという人の作品に特に惹かれた。ダンサー(作者)がポーズをとった姿の写真を印刷した大小さまざまな紙が、円筒に丸めたり、いくつかのパーツに切断したりといった簡単な加工をされた上で配置されているという、シンプルな作品だ。ダンスを観る楽しさには、ダンサーの体の動きを見ながら、その筋肉の収縮だとかの感覚を想像して自分の感覚に重ね合わせ、動きの感覚を追体験する(たとえそれが実際自分に不可能な動きであっても)、いわば「ノる」、というのがあると思うけど、この作品では、ダンサーの身体の上に、丸め・たわみ・並び替えという物理的な紙特有の質感が重ね合わされて、まったく味わったことのない新鮮な身体感覚が呼び起こされて面白かった。

後の予定があったので後半ちょっと駆け足になってしまったうえ、友人たちともあまり話せなかったのが惜しまれる。

 

そのあと今度は中学校以来よく一緒に遊んでくれている友人二人と一緒にPerfumeのライブを観に行く約束があった。その前に片方の友人の家に集まって、私から友人に誕生日プレゼント(4月なのだが)を渡したり、二人が私に誕生日プレゼント(6月なのだが)をくれたり、Perfumeオタクの友人が持参した過去のライブ映像を鑑賞したり、Perfumeオタクの友人が前乗りして買ってきてくれたおそろいのツアーTシャツに着替えたり、そのまま近くのミスタードーナツへ赴いて飲茶メニューを楽しんだりしてからライブ会場に向かった。

とてもおいしい


私はPerfumeのことはあまり知らずに行ったのだけど、本当に楽しかった。皆さん本当に綺麗でかわいいしダンスがとてもかっこよい。MCもあたたかく楽しくて、今やものすごい規模で活動しているユニットであるのにファンの人たちのことをよく見ていることにとても驚いた。それから華やかな演出にも目を見張ったが、意外にも裏方の存在感がしっかりあるライブで、舞台装置の転換や小道具の受け渡しに人の手の泥臭さがあった。あ~ちゃんがMCで裏方の人たちのことによく触れていたのが印象的だった。「どんなに技術が進んでも、ひとのあたたかさは無くならない」と言っていたが、逆にあの人たちが近未来的なイメージや技術をすすんで取り入れていくのは、人のあたたかみの強固さへの信頼の表れなのかなと思った。

 

私は過去の自分がどうにも好きになれず、とくに中学生の頃など恥ずかしくて思い出すとウワァーとなってしまうのだが、そんな中学生の頃の自分をすぐそばで見ていた人たちが、その後もこうやってずっと仲良くしてくれたり、久しぶりに遊んでやってもいいかなと思ってくれたりしているということに本当に救われる。

 

一晩寝て起きて体はくたくただったが、ライブを観ていたときの、いまにも自分の体があんなふうにしなやかに軽やかに動き出しそうな幻想が、しばらく魔法のように体の内側でうずいていた。